別の記事でお伝えしているように、私も息子の不登校で悩んでいた時期がありました。
「息子が不登校になってしまったのは、もしかしたら私のせいかもしれない・・。これからどうすれば良いのだろう・・。」と、一人でモヤモヤしていました。
どなたにでも気軽に相談できるわけでもなく、常に心の中に重た~いものを抱えているような感じで、悩みすぎて胃潰瘍ができてしまったほどです。
そんなある日、買い物帰りに立ち寄った本屋さんで目に付いたのが『アドラー心理学』の本でした。
当時はまだ今ほど有名ではありませんでしたが、なんとなく気になって読み進めていくうちに、少しずつ心が軽くなっていったのです。
「とにかく私がなんとかしなければ!」と頑張っても、結局どうにもならない状態がずっと続いていましたが、それは出口のないトンネルの中をグルグルしていただけだったと、気づけたからです。
つまり、私が必死に右往左往したところで、何の役にも立たないどころか、むしろ息子の邪魔をしていたのだということです。
例を示して説明しますね。
まず、アドラー心理学には、主に『5つの理論と4つの思想』があり、それぞれ単独で活用しても良いのですが、いくつか組み合わせて考えるとよりパワーアップすると思います。
それらは『自己決定論』『目的論』『全体論』『対人関係論』『認知論』『課題の分離』『勇気づけ』『劣等感』『共同体感覚』です。
では、その中の『自己決定論』『目的論』『課題の分離』で考えてみましょう。
①『アドラー心理学の自己決定論』では、「人は自分の行動や人生の選択を自分で決める力を持っており、環境や運命に左右されずに、自分の意思で幸せや目的を達成できる」と言います。
②『目的論』では、「人の全ての行動には必ず目的がある。人の行動や感情は単なる過去の経験やトラウマの結果ではなく、将来の目標や望む結果のためであり、未来の目的に向かっている。」と捉えます。
③『課題の分離』は、他者と自分の課題を明確に区別する考え方で、「誰がその問題に責任を持ち、誰がその結果を引き受けるのかを見極め、他人の課題に無理に介入したり、自分の課題を他人に押しつけたりしない。」という意味です。とは言え、「バッサリ切り捨ててしまう。」という考えではなく、「相手が望むのなら無理のない範囲で協力し手伝うし、少し大変でも本人に任せることで成長できるなら、そうする。」ということで、「相手を信頼して、尊重する。」ことに繋がると思います。
不登校の視点から捉え、①から③を組み合わせて考えると以下のようになります。
子どもが不登校を選択しているのは、ただの怠惰ではなく、何かしらの目的を持っており、自らそれを決めている。
それは子ども自身の人生の選択であり、親が闇雲に介入するべきではない。
私たち親にできるのは、子どもがこれから先の人生をどのようにしていきたいのかをよく聴いて、その選択を尊重し信じて、できることは全力で応援する!
「ただ、それだけ。愛する子どものことなのだから、必ずできる。」そう思えるようになってからは、かなり気持ちが楽になりました。
不登校であることに変わりはないけれど、そのままの子どもを愛し、信じ続けることで私の心は救われたのです。
他にも、『アドラー心理学』には、子供の不登校に関してのみならず、より良い人生を送るためのヒントがたくさん散りばめられています。
そこで、ぜひ参考にしていただければと思い、「子どもの不登校に悩んでいるあなたへ」というタイトルで、アマゾンから電子書籍を出版いたしました。
『5つの理論と4つの思想』をそれぞれわかりやすく説明した後で、私の息子の不登校の実体験を綴っています。
ご一読いただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。