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不登校の小中学生が上手に教育支援センターを利用するための3つのポイント

不登校の小中学生が上手に適応指導教室を利用するための3つのポイント

現在、不登校で家で過ごしている場合、「教育支援センターを利用してみたいけど、勉強の仕方など学校とは異なるだろうし、入級してもそこで上手くやっていけるのか不安だな」と思い、一歩踏み出せない方も多いと思います。

そこで今回は、『教育支援センターの上手な利用の仕方』を、「通う目的を決める」「自分に合う勉強の仕方を考える」「他の生徒との心地良い関わり方を見つける」の3つに絞ってお伝えします。

教育支援センターに通うことを迷っている方々にご一読いただき、少しでも参考にしていただければと思います。

なお、本記事をご覧いただくに当たり、以下の2点について、ご理解いただきますようお願いいたします。

① 教育支援センターは、各市町村の教育委員会によって運営されており、フリースクールとは異なります。

② 本記事は、私が勤務する教育支援センターの実際をベースにお伝えしておりますので、必ずしも全ての教室に共通する内容ではない場合もあります。

教育支援センターに通う目的を決める

冒頭でお伝えしましたが、教育支援センターは各市町村の教育委員会によって運営されており、学校に準ずるところですので、自分のペースで良いのですが、スケジュールに沿って勉強をしています。

ですが、ただ勉強をするだけの場所ではありません。

スタッフや他の児童生徒達との交流を深めたり、家ではできない体験をしたりと、利用する意義はいろいろあります。

そこで、

「教育支援センター」に通うことになった場合には、どのように利用したいのかを考えると良いでしょう。

なぜなら、通う目的がしっかり決まっていないと、ただなんとなく毎日を過ごすことになってしまうからです。

そうならないためにも、自分なりの目標を定めておくと良いと思いますが、なかなか決められないときの為に、少し例を挙げてみます。

まずは、生活リズムを整えたい

今までずっと家に居た場合は、いきなり長時間を他の人達と一緒に過ごすのは、苦痛ですよね。

そんなときは、「外に出ることから徐々にならしていきたい」という気持ちを、きちんとスタッフに伝えて下さい。

例えば、最初は毎日でなくても、30分でも1時間でも、可能な時間から始めれば良いでしょう。

読書などをして静かに過ごし、慣れてきたら少しずつ勉強を始める、という進め方もあります。

とにかく外に出て、日光を浴びて身体を動かすだけでも、大きな一歩です!

不安だらけだったけど、意外と大丈夫かも..と思えればOK!

ゆっくりと前に向かって進んでいきましょう。

不登校の小中学生が上手に適応指導教室を利用するための3つのポイント

しっかりと勉強をしたい

不登校で家に居ると、どうしても勉強が進まない..ということ、ありますよね。

ついスマホを観てしまったり、ゲームをやめられなくなったり..。

でも多分、大人でも同じです。

大人は、しなければならない仕事があるから平日は頑張り、休みの日はのんびり好きなことをして過ごす、というメリハリのある日々を過ごしています。

でも、毎日家に居てずっと自由時間だったら、ついつい誘惑に負けてダラダラ過ごしてしまい、結局そんな自分を責めてしまうのではないでしょうか。

つまり、よほど意志が強い人を除いては、ある程度の制約がないと、上手に時間を使って結果を出すことができないように思われます。

前置きが長くなりましたが、家から出て、勉強する状況に身を置いてしまえば、意外とできるものです。

「不登校で家に居た間に遅れてしまった分の勉強を取り戻したいけれど、自分一人ではどうしてもできない..」と悩んでいるなら、「教育支援センターにいる間は、自分のペースでしっかり勉強する!」と決めてみるのも良いのでは?

いろいろ話せる友達を作りたい

家にずっと居ると、SNS以外で誰かと知り合う機会がほとんどない、ということもありますよね。

一人で居たいのならともかく、友達が欲しいのに出会う場所がない、というのは寂しいことです。

それならば、教育支援センターを利用してみてはいかがでしょうか?

数校の児童生徒達が通っており、もしかしたら話が合う人を見つけられるかもしれませんね。

不登校の小中学生が上手に適応指導教室を利用するための3つのポイント

教育支援センターでの自分に合う勉強の仕方を考える

まず、基本的な勉強の進め方をお伝えします。

教育支援センターには小中学生が通っており、学年も違えば勉強する教科も違いますので、学校のように一斉授業はできません。

各自が教材(教科書や問題集)を持参して自習しますが、分からないところはスタッフが一緒に進めていきます。

学校とは違う教育支援センターならではの勉強の仕方

学校では一斉授業ですので、個々の進み具合に合わせることなく、理解できてもできなくても先に進んで行ってしまいます。

また、昔のように、授業後に先生が分からないところを教えてくれることもありませんよね。(今の先生達はなんだか忙しすぎて、常に時間に追われているように感じます。)

宿題もたくさん出されるし、いつまでも同じところを学習している時間もないので、結局分からないままになってしまう訳です。

でも、教育支援センターだと一人一人がそれぞれの勉強をしますので、分からないところや、もっと深く知りたいことを自分のペースで学習できます。

つまり、勉強する範囲や内容を自分で決められるということですので、それを上手に利用して、自分に合うスケジュールを組んで学習を進めて行けばOKです。

そこで、勉強してみて自分が不得意なところが分かれば、前に戻ってその部分をやり直すことができるので、より理解を深めることができますね。

例えば、中学生が小学校で習った分数や小数が苦手、というのはよくあるのですが、そこが分かっていないと常に弱点になり、次にすんなりと進めなくなります。

そんな時はそのまま放置せず、是非、小学校の教科書に戻って学習することをお勧めします。

教育支援センターでは、多くの児童生徒がそれを実行しているので、周りの目を気にすることなくゆっくりと学習できます。

今まで分からなくてモヤモヤしていたことがスッキリして、自信を持って次に進めますので、前に戻ることを恥ずかしがらずに実行してみて下さい。

 

学年を遡って分からないところを見つけ出し、基礎から丁寧に学ぶことができるオンラインレッスンを、参考のために見てみるのもいいかもしれませんね。

教育支援センターでの高校受験に向けての勉強の仕方

勉強について、多くの悩みを抱えているのが受験を控えた中学3年生です。

まず、どんな高校に進学するのかを決めなければならないし、受験に向けての勉強を始めなければいけないので、かなりのプレッシャーですね。

そこで、教育支援センターならではの、高校受験に向けての勉強方法を上手に利用して、入試を乗り越えましょう。

高校には大きく分けて、全日制高校、定時制高校、通信制高校の3種類がありますが、それぞれ勉強の仕方が違います。

全日制高校

全日制高校を目指すなら、ほとんどの高校で出席日数や成績も重視されるので、まずは学校復帰をしなければなりません。

入試科目も5教科ですので、不登校で教育支援センターのみに通う状況での受験はかなり厳しく、私が勤務する教室からは、ここ数年間で全日制高校に入学した生徒は1人だけです。

ですので、教育支援センターからの高校受験は、主に定時制高校と通信制高校になることがほとんどです。(絶対に無理というわけではありませんので、中学校にご相談下さい。)

定時制高校

定時制高校の入試は3教科ですし、出される問題は毎年同じようなものが出題される傾向にあるので、比較的ポイントを押さえて学習しやすいと思います。

出題されやすい傾向にある問題を繰り返し学習することで、自分が苦手なところが分かってくるので、そこを集中的にやり直します。

入試では基本的な問題が出題されるので、慣れてくれば自信を持って入試に臨めると思いますよ。

その他、作文と面接があります。

作文については、当日に出される題目について書くのですが、基本の文を1つ作っておくと良いと思います。

例えば「私の将来の夢」、「どのような高校生活を送りたいか」などです。

試験当日に全く同じ題目が出題されるかどうかは分かりませんが、作っておいた基本の文をアレンジすることができますよね。

面接については教室のスタッフと、ドアを開けて入るところから質疑応答、部屋を出るまで、かなり丁寧に何度も練習しますので、自信が付くと思います。

通信制高校

通信制高校については、作文と面接だけの場合が多いので、それらについては前述の定時制高校の入試でお伝えした通りです。

 

定時制高校、通信制高校は、不登校の中学生が入学することも多いため、中学校の出席日数や成績はそれほど重視されません。

ですので、中学校の定期テストのためだけの勉強にとらわれずに、入試準備に力を注ぐことができます。

このあたりが学校での勉強の仕方と大きく異なるところで、自分の将来を見据えて、ピンポイントで学習を進めていけます。

いずれの場合も、入試のためだけでなく、高校に進学してから困らないような学力をつけられるように、基本的なポイントを押さえた学習を、スタッフが一緒に進めていきます。

教育支援センターならではの勉強方法を上手に利用して、高校入試を乗り越えましょう。

不登校の小中学生が上手に適応指導教室を利用するための3つのポイント

教育支援センターでの他の生徒との心地良い関わり方を考える

教育支援センターは、概ね各市町村に1教室ですので、当然数カ所の小中学校から児童生徒達が通って来ています。

それでも学校よりははるかに少人数ですが、人間関係が原因で不登校になってしまったような場合は、他の生徒と関わり方に不安を感じることと思います。

でも、無理にみんなと同じ事をする必要はありませんし、自分が居心地が良い過ごし方を見つけられればいいですね。

そのために、まずは自分がどのように過ごしたいのかをスタッフに伝えて下さい。

例えば・・・

教育支援センターで、友達を作りたい

午前と午後にそれぞれ30分ほど、みんなで一緒にカードゲーム等をする時間を設けておりますので、積極的に参加して会話を楽しんで下さい。

教育支援センターで友達を作りたいと思っているなら、是非、参加しましょう。

始めは、スタッフが生徒間の会話が自然にできるようにしますので、少し慣れてきたら自分が好きな事(ゲーム、アニメ、読書など、何でも)を話題にしてみたり、悩んでいる事の相談に乗ってもらったりしてはどうでしょう?

とりあえず興味があることだけに参加してみたり、誰かと話したい気分のときは会話に加わってみたりと、自分のペースで進んでいきましょう。

特に、校外学習などの行事のときは、いつもと違う雰囲気の中で会話も弾み、仲良くなるチャンスかもしれません。

私が勤務する教室でも、違う学校から通う生徒達が仲良くなって、休日には一緒に遊んだりしている人達もいるようです。

更には同じ高校に入学したりと、長く良い友人関係を築けた例もあります。

まずは、スタッフに相談してみて下さいね。

一人で静かに過ごしたい

「人と関わるのが苦手なこともあって不登校になったのに、教育支援センターでも同じ事の繰り返しなのかなあ・・」と、不安に思うかもしれませんが、そんなに心配する必要はありませんよ。

前述のように、みんなで一緒にカードゲームなどをする時間を設けていますが、必ずしも参加しなければならないわけではありません。

実際、その時間に勉強をしている人もいますし、本を読んだり、絵を描いている人もいます。

スタッフとしては、少しずつみんなと一緒に話ができるようになればいいなあ、と思いますが、決して無理強いはしませんのでご安心下さい。

何より、自分が居心地が良いと感じる過ごし方を見つけて下さい。

まとめ

教育支援センターをを上手に利用するポイントを3つご紹介しましたが、いかがでしたか?

まず、教室を利用する目的を決めたら、後は、自分にとって心地よい過ごし方を見つければOKです。

勉強時間や昼食の時間などのスケジュールは決まっていますが、その他の時間の過ごし方や、勉強の仕方は自由ですからね。

自分の将来を見据えて、どのように学習し、人と接すれば良いのかを考えるためのチャンスと捉えて、教室を利用してはいかがでしょうか。

教育支援センターが、安心して過ごせる居場所になると良いですね。

 

ABOUT ME
えま
家で過ごす時間が大好き! 一週間くらいなら、一歩も外に出なくても大丈夫です。 (まあ、庭へは出ますけど) 休日は、本を読んだり、のんびりまったり生きてます。